CHANGE / DIVERSITY & INCLUSION

自由な選択肢を与える、ジェンダーフルイドなブランド9選。【ボーダーレスモード Part.3】

インクルーシブなファッションが興隆する中、性をめぐる解釈もより自由になり、ジェンダーフルイドなアイテムが多く登場している。男女二元論をディスラプトするメゾンの取り組みをチェックしよう。*「サイズインクルーシブなブランド編」はこちらから。
メンズワンピースが問うマスキュリニティ。

ワンピース ¥165,000/GUCCI

2015年にアレッサンドロ・ミケーレがクリエイティブ・ディレクターに就任して以来、かつての“男らしさ” “女らしさ”の概念を塗り替え、ジェンダーフルイドの流れを牽引するグッチ(GUCCI)2020年秋冬シーズンのメンズ コレクションではついに、メンズ用のワンピースが登場。オーバーサイズのカーディガンとダメージデニムを合わせたスタイルで、ガーリィなワンピースをグランジに昇華した。男性の中にある女らしさ、女性の中にある男らしさを解放することで、アイデンティティをより自由に表現できる、という強いメッセージが込められた一着に注目。

性の境界を取り払う自由なモード。

男性がレディースを着て、女性がメンズを着る。これまで以上に性の垣根が曖昧に、そして流動的になった今シーズン。トム ブラウン(THOM BROWNE)は初めて男女合同のショーを開催。お揃いのルックを着たカップルが登場し、従来のジェンダー規範を覆す演出を行った。

同じく初めて男女合同のショーを発表したヴェルサーチェ(VERSACE)のキャットウォークには、鮮やかなプリントアイテムに身を包んだメンズモデルが登場し、ジェンダーの平等と包括を称えた。ベラ・ハディッドは、メンズブランドのベルルッティ(BERLUTI)のショーに出演。ダブルのジャケットとシガレットパンツのメンズテイラードを着こなし、凛々しくランウェイを闊歩した。

加速するジェンダーフルイド。

〈右上から順に〉 ティアラ〈上〉¥101,900 〈下〉¥164,900/ともにTAKAHIROMIYASHITATHESOLOIST. ワンピース ¥67,000/GROUND Y ブーツ ヒール3cm 各¥144,000/ともにJIL SANDER+

自由な発想とタフなデザインで定評のあるメンズブランドのタカヒロミヤシタザソロイスト(TAKAHIROMIYASHITATHESOLOIST.)からは、ユニセックスに楽しめそうなティアラが登場。他方、ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)が率いる「GROUND Y」は、ゴッホの肖像を大胆に配したメンズサイズのワンピースを発表した。また、ジル サンダー(JIL SANDER)は、2019-20年秋冬シーズンより新ラインの「JIL SANDER+」をローンチし、ジェンダーを問わずに好きなアイテムを選べるよう、メンズ、レディースそれぞれのサイズで同じデザインを展開している。ヴィブラム(VIBRAM)とコラボしたブーツも、ジェンダーレスなデザインだ。

〈左から〉ラグランT ¥14,000/MARC JACOBS 「Gap × Ken Lo」 フーディ ¥4,536/GAP

マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)は、幅広いターゲットに向けた新ラインの「ヘブン バイ マーク ジェイコブス」を2020年9月にローンチした。ノスタルジックなデザインとウェアラブルなシルエットで、老若男女問わず楽しめるアイテムを得意とする。1969年のブランド開始より、LGBTQ+コミュニティへの支援などダイバーシティを推進する取り組みを行なってきたギャップ(GAP)も、「More Hugs, Less Hate(ハグを増やして、ヘイトを減らそう)」をテーマに香港のデザインスタジオ「BLOW」の創立者兼クリエイティブ・ディレクター、Ken Loとコラボ。ジェンダーを問わず着用可能なアイテムがラインアップされている。

問い合わせ先/
ギャップ新宿フラッグス店 03-5360-7800
グッチ ジャパン クライアントサービス 0120-88-2177
ジルサンダージャパン 0120-919-256
タカヒロミヤシタザソロイスト アオヤマ 03-6805-1989
マーク ジェイコブス カスタマーセンター 03-4335-1711
ヨウジヤマモト プレスルーム 03-5463-1500

Cutout Photos: Shinsuke Kojima Stylist: Mutsuko Matsukawa Text: Tomomi Hata Editors: Shizue Hamano, Airi Nakano